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日常やらお題消化やらわめいたり悶えたり、そんな感じの場所のなれの果て。 つぶやくには長い言葉や、SSやら映画の感想やら、Twitterより濃いめの冬野さんの根城予定。
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途中まで書いたままで、止めてしまっていたのですが、
ここ2,3日で続きが書けました。
間が空きすぎたので前半と後半で
何かが変わってしまっていないだろうかと
少し心配です。
そして長い文が書けるようになりたいです。
かぐや姫の恋人の続きに近い感じのものです。
アナスタシア視線。妄想含。

お題をお借りした場所はフィフティーン様↓
                        押すと飛ぶ!ハズ…

+ + + + + + + + + +



おとうさまにおかあさま
おねえさまは3にん
そして小さなアレクセイ
アレクセイは体が弱くて
お母様はいつもあの子を心配していた
あまり構われていない状況だったのかもしれない
でも私は幸せだった
毎日は光に溢れていた
お城だけじゃなくて外の世界も見て回れていたから
これは幸福だとそう信じていたから




10.追放された楽園





さくさくと、足音がふたつ森に響く。
木々の色はかすみ気味で、風は冷たい湿りを含む。
これでもここは春なのだ。

「大丈夫ですか?」

白い息と共に、かけられる温かな言葉。
優しい瞳、差し出してくれる細いけど逞しい手のひら。

「はい。蔵人様のほうが、寒くありませんか?」

多少住んでいた所に比べたら寒いかもしれないけれど、
気にするほどでもない。
私にとって、この地は祖国だから。
でも何より、蔵人様がそばにいるから。
何よりも大切な人。何よりも愛しい人。
考えるだけで、胸の奥が熱くなる。
あたたかな気持ちが、体の中に広がっていく。

ーこの人以外は、何もいらないー

その時確かに私は、
今まで出一番幸せと感じていた。
何よりも何よりも。
この後起こることなんて、何も分かりもせずに。


大好きな大好きな場所は砂の上で揺れていたのに。
気がつかないフリをしていたかった。
気がついても砂は崩れていくばかりだったから。
目の前の幸せで私の世界を埋めてしまいたかった。
見えなければそのままだと、
消え去る事なんて無いと頑なに思い込んでいたから。





「アナスタシアさん」

凍える空気を裂くように、耳元で強く響く声。
逞しい腕に抱きしめられながら、
私の心は遠くにあった。

「行ってはいけない。全てが、無駄になってしまいます」

視線の先にある灰色の箱の中で、すべては砕けてゆく。
大切な場所、大切な人。
私が目をそむけずにいれば、消える事はなかったのですか?
そんな言葉を投げかけても、もう届きはしないのに。
何度も何度も、答えが返ってくるんじゃないかって、
虚しい期待をするばかりで。
零れる雫は、流れ落ちる前に凍りついて風に舞っていく。

「どうか、どうか堪えてください」

蔵人様の顔は見えない。
ただ、悲しそうな声と痛いほどの腕の力が、
感覚も思考も、消えてしまいそうな私を
この世界に繋いでいた。










++++++++++++++++++++
ロシア革命あたりの妄想。
プーチンのおっさんが悪巧みをしていたけれど、
それより前からロマノフ王朝は危うい位置にいた、はず。
(私の認識が結構あいまいなのです。世界史きちんと習っていない…)
民にとってはもうどうしようもない場所でも、
アナスタシアにとっては大切な場所であって。
そんな部分が少しでも滲み出せればなあと考えています。
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