フィフィティーン…０１４

久方ぶりですがフィフティーンがようやくまとめられたので更新です。
「もたれた温度」
シャドハ無印のウルアリです。
ウルの独り言というか一人相撲。

漫画「夢の終わり」の焼き直しに近い感じです。


お題をお借りした場所はフィフティーン様↓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　押すと飛ぶ！ハズ…

右側があたたかい




最初認識したのはそんな感じだった。
そんな感じだったと曖昧なのは、自分の状況を把握するのに
一瞬脳みそがはじけるかと思うほど動揺したからだ。



ゆるゆる戻ってきた意識の中
ぼやけ気味の視線を右に向けると、
惚れてる女が寝息を立てて俺に寄り添っていた。











もたれた温度









「あ」




漏れかけた声を飲み込みつつも、自分の現状が理解できない。




今は、夜明け前？気温は少し冷えている。ここはラッツの悪ガキどもの住処の屋根裏で、
俺は・・・何をしていたっけ？そこら辺はいいや。
なんかややあって考えるのに疲れて寝ることにして腰掛けて寝た。
・・・たしかそんな感じだ。




問題なのはこいつだアリスだ。




何で隣に座ってで呑気に寝ているのかわからない。
おまけになに腕を絡ませているんだ・・・！！！
いつもそうだ、男と二人旅でも何も気にせず寝息を立てて寝てしまう。
緩やかな身体の曲線とか、スカートからのぞく太ももとか、
こう、丁度よい感じの胸とか、ちっちゃい口とか・・・




襲うぞ！襲っていいのか！？本当にそろそろさわっちゃおっかな！！？











・・・・・・









肝心のお姫様はこっちの考えなど気にもせずすやすやと寝ている。
なんだこれ、俺の一人相撲。馬鹿だけど馬鹿みたいじゃないか。
一人で盛り上がって、一人で落ち着く俺。










いい匂いがする。

こんな穏やかな時間なんて存在するんだな。
旅をするうちにどんどんアリスに惹かれていった。
心の中がひどく温かくなったり苦しくなったり、
気がついたら目で追っていて、
さりげなく横にいて、一緒に笑って一緒に怒って。
今日も、明日も傍にいたいな。























ああ


















そのために考えていたんだ









アリスの傍にいるために
















四仮面を殺す方法を










こいつを奪おうとするクソくだらない呪いをつぶす為になる手段を
















戦闘の合間に四仮面どもを潰しに行って返り討ちにあってばかりで、
決定的な打開策も見つからなくて、傷も癒えない、疲労も取れない。
座り込んだら意識を飛ばして眠っていた。




よくよく思えば右腕の痛みが消えている。いくらなんでも治るには早すぎる。










馬鹿だなあ。俺もアリスも。

左手でそっとアリスの頭をなでる。起こさないように、そっとなでる。
柔らかな髪の毛。むにゃむにゃとなんだか微笑んでるような顔。
もう少し寝かせてやりたいし、もう少し俺もこうしていたい。











本当は一刻でも早く安心させてやりたいけど





今は　この瞬間は






何事にも変えがたい愛しい瞬間だから。











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クーデルカを救った後、ベーコンの正体を知る前か後かは曖昧に。
似たよう名内容のストマン10枚が、学生時代の部誌で書いたのですが、
あ、これお題につかえるんじゃね？ということでリバイバル。
愛は詰まっているのですが線が太めなのでお蔵出しするときは書き直してあげたいですん。